鈍恋diary
それなら、愛想悪いって思われる方が全然楽だよ。

「で、紅茶どれにすんだよ?」

「あ…じゃ、レモンティーで。後でお金返すよ」

「奢るっつっただろ?素直にありがとって言えばいいんだよ、バカ!」

ホントなんなの、コイツ?!

何様なの…自己中すぎる!

呆れるあたしを無視して、さっさとレジ行ってるし…付き合いきれない。

コイツの隣りで待つ気にもなれないから、あたしは先にコンビニの外へ出た。

待つべきなのか、先に戻るか…考えてる間に、貴史君はやって来て…

「ほら、これ…」

「ありがと」

レモンティーだけを取ろうとしたら、袋ごと押し付けられた。

「え…何コレ?」

「詫びっつっただろ!」

「でも…」

「素直に受け取れよ…可愛くねぇな」

別に可愛くなくていいし。

そもそも、あたしも悪かったんだから、こんなの貰う訳にもいかない。
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