鈍恋diary

「貴史君って、誰かと歩くといつも手繋ぐの?」

それが当然みたいに手を繋いでくるから、気付けば疑問が口から出てた。

「んなわけねぇだろ…なんでそうなるんだよ」

「だって、一緒に歩くといつもこうなるから」

繋がれた右手をちょっと上げて指差す。

「史華の手って冷たくて落ち着くって前に言っただろ」

「そうだけど…もう風も冷たくなってきたし、冷たくて落ち着く季節じゃない気がしたから」

今年はまだ暖かい方だと思うけど、朝早いとコート着ようか悩むし…

女の子の足元はブーツが増えてきてるけど?

それに、あたしの方が貴史君の手が温かくて、ちょっと心地いいとか思うくらいなんだけど…

「ほっとけよ…体温高い体質なんだよ」

「そうなんだ?あたし、平熱低い…だからか、冬は手が冷気纏うくらいになる」

「それ単に冷え性なんじゃねぇの?」

確かに…足もだからそうかもしれないけど、なんかババくさくてヤダ。

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