鈍恋diary
「…マジで黙るなよ!拒絶されないのは嬉しいけど、すっげぇ複雑」
黙れって言ったクセになんなの?!
こっちの方が訳わかんなくて複雑な心境だっての!
「あの…離してください」
「なんで敬語?…史華ってホントおもしろい」
おもしろくなくていいから、離れてほしい。
こういうことされ慣れてないから、もう頭の中ぐちゃぐちゃ…
「お前の感覚で考えすぎんなよ?この間みたいに、やるチャンスあるならやりたいヤツなんか大勢いるし…理解してても、感情で動いちまうことだってあるから」
「でも、あたしだし…そんな人いないって。それに、航希や貴史君はそういうことしないと思ってるから」
「信用してくれてるのは嬉しいけど…あんま信用すんな」
信用とかじゃなくて、なんとなくそう思ってるだけだけど…
そんな言い方されると、どう接していいか困る。
「嫌われたくなくて、ガマンしてるだけだから…」
「ちょっと待って、それどういう意味?!」
貴史君から離れた方がいい気がして、思わず貴史君の胸を押し戻す。