鈍恋diary
これ以上貴史君と二人でいるのが嫌で、来た道を戻る。
急に出て行ったあたしたちのことを話してるかな…と、余計な事を一瞬考えて気が滅入った。
「おい、史華待てよ」
貴史君の声は聞こえたけど、聞こえないフリ…
あたしには、これ以上話すことなんてないし。
この人はあたしの苦手なタイプすぎる!
「史華、無視すんなよ!」
腕を掴まれて、あたしは仕方なく足を止めた。
振り返らないのは、関わられるのが嫌ってあたしの意思表示。
「時間来たから出たって…メール来てた。先に駅行くって」
駅だと逆方向…でも、なんか振り向くのが嫌で、あたしは頷いて地面を眺めたまま。
「じゃ、駅行こう」
腕を掴んだまま歩き出した貴史君…
あたしは、その一歩後ろをついてく…