鈍恋diary
「博信君と尚之君も一緒だ…声掛ける?」
「いや…あたしはいい、遠慮しとく」
関わりたくない。
そう思ったら、顔を上げた貴史君と思いきり目が合ってしまった。
無視するのも気まずい?
でも、声掛けるのも…
どうしたらいいのか判断できずにいると、突然腕を引っ張られてた。
「え…何?!」
穂花が引っ張って来たと思ってたのに、犯人は航希で…
あたしは思わず顔を顰めてた。
「なんなの?いきなり引っ張んないでよ!」
「ごめん、ごめん。なぁ、なんか飲み物ない?」
「また?!…紅茶ならあるけど、もうそんな冷たくないよ?」
鞄から紅茶を出すと、航希はあたしから奪って一気に飲み干した。
人の紅茶一気飲みとか、殺されたいのかコイツは?
普通飲み干すなら断りくらい入れるだろ?!
「後で買って返すから、怒んなよ!」
「もういいよ…死ね、バカ!」
「史華〜、ごめんって」
半分あるから飲み干したりしないとか思ったあたしがバカだ…
コイツに渡したらいつもこうなるってわかりきってたことなのに…