鈍恋diary
「なぁ…」
「何よ?!」
「…悪かったよ、機嫌直せって」
「反省してる気しないし、悪いとか思ってないでしょ?」
謝れば許されると思うな!
ホント航希の謝罪なんて、口だけなんだから…
「それよりさぁ…あの奥高のヤツって、史華の知り合いだったりする?」
耳元で聞いてくる航希の言葉に、あたしは視線を上げた。
こっちを見てた貴史君とまた目が合ってしまって、なんだか気まずい。
「知り合い?」
「…知らない。なんで?」
ボソッと答えて、あたしは貴史君から視線を逸らした。
「ん〜、なんか見られてる気がしたから…史華の知り合いかなって」
「あんたがなんかしたんじゃないの?」
「なんで俺なんだよ?…なんかしてたら、あの人にやられてる」
「あの人って?」
「さっきこっち見てた人…背低いヤツ。あの人、空手やってて負けナシだって隆平が言ってた」
それって貴史君のこと…だよね?
もしかして、それで博信君と尚之君を一睨みで黙らせちゃったとか??