鈍恋diary
「そんな強いの?」
「うん…俺見たことないけど、隆平の兄貴とか空手やってて、そんな弱いわけでもないのに、あの人には瞬殺されるって」
意外…
「可愛い顔してるのにね」
「はぁ?!史華ってああいうのタイプかよ!」
「え…あ、見た目の話よ?」
「見た目だけでも、なんかムカつく!俺とはタイプ違いすぎるじゃねぇかよ!」
身勝手さと腹黒さは共通してると思うけど…
「 何対抗心出してんのよ…バカじゃないの?」
「なんだよ、俺じゃ勝ち目ないって意味か?」
「なんの勝ち目よ…好みとか人それぞれなんだから、あたしの判断基準参考にするのやめたら?」
なんか、あたしの意見とか参考にならないと思うのよね…
夏帆と穂花も微妙な反応してたし。
「そうだけど…史華はアイツのがいいんだろ?」
「さぁ?性格次第でしょ…最低な性格してたら、航希のがマシ」
実際、最低とはいえないけど、あたしの苦手なタイプだから、航希のがマシってことになるんだけど…
「ますます勝ち目ねぇじゃん…噂聞く限りそんな性格悪い感じしねぇもん」
「だから、なんの勝ち目よ?…だいたい噂とかいい加減なもんなんだから、気にしなくていいんじゃない?あんたらしくないよ?」
周り気にしないクセに、なんで貴史君にはこうなんだろ?