鈍恋diary

「…ごめん」

言いたくないってこと?

ふざけんなって言いたいけど…

ここまで態度を急変されると、文句も言えない。

「もういいよ…落ち着くまで好きにしてな」

背中をポン…と軽く叩くと、航希は小さく頷いた。

なんか昔見た航希を思い出す。

普段煩いのに、元気がない日が続いて…

たまたま二人になったから、体調でも悪いって聞いた時のこと。

なんでもないって、言ってたけど…明らかに様子が変で、あたしは…

「言いたくないなら言わなくていいからね?…でも、言って楽になるなら聞くから」

ギュッと航希のことを抱き締めて、あの時と同じ言葉を口にしていた。

あの時は、お母さんが急に入院したって話してくれた。

なんの病気かお父さんは言ってくれないから、悪い病気だったらって心配になって…

このままお母さんが帰って来なかったらどうしようって考えてたって…

でも、今のこの状態はあの時と似てるけど違う。

元々様子が変だったわけじゃない。

それとも、あたしが見落としてた?
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