鈍恋diary
「ホントにごめん」

「もういいって、しつこいよ?

ってかさ、もうすぐ降りなきゃいけないんだけど…あんた大丈夫?」

乗り換えのアナウンスに気付いて問い掛けると、航希は頷いてくれた。

「史華ってさ…なんかいい匂いするよな?」

「はぁ?!何それ?ってか、人の匂い嗅がないでよ!」

「だって、なんかスゲェいい匂いするから、つい」

ついじゃない、ついじゃ!

エロガキどころか、変態だ、コイツ!!

「史華のフェロモン?」

「また訳わかんないこと言う!そんなんじゃないってば!」

「なんだ…残念、俺のこと誘ってんのかと思った」

「マジでそれないから!ホント一回死んでみる??」

心配してやったのに、フリ??

ホント腹立つ!

やっとあたしから離れた航希はいつも通りで…

「そう?勘違いして、史華に手ェ出すとこだった」

ムカつく顔して、そんなことまで言いやがった。

「それは残念…なんかしてたら、地獄に行かせてあげたのに」

「史華が言うと冗談に聞こえねぇよ…」

「本気で言ってるから、ご心配なく〜」

なんだったのかわからない。
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