鈍恋diary
真意が知りたくて、貴史君の方を向くと、貴史君もこっちを見てた。
「やっとこっち向いてくれた」
そんなこと言って微笑んでくるから、不覚にもドキッとしてしまう。
見た目は好みだから、その笑顔の不意打ちはホント反則…
性格とか知らなくて、こんな顔見せられてたら、危なく一目惚れ詐欺に遭うとこだよ!
「史華?」
「なっ、何よ?!」
本性知ってるのに、一瞬見惚れたとか気付かれたくない。
「お前ホント危ないぞ?」
「どういう意味よ…それ」
中身はやっぱ嫌なヤツだ…
なんて思ってたら、また貴史君はふわっと笑う。
「…あんた、ホント最低な性格してるわよね?」
「気付いたなら大丈夫だな!変なのに引っ掛かるタイプかと思った」
性格最低だって知らなかったら危ないとこだけど…
コイツにだけは騙されない!
「心配してくれてありがと」
仕返しとばかりに、あたしも微笑み返してやる。
コイツにお礼言うのはなんだけど…
やられてばっかは悔しいし。