鈍恋diary

「笑うな…って言いたいけど、そういう表情してる方がいいと思うから、許してやる」

「何それ?…あんたは、照れてる方がいいと思うよ?」

偉そうにしてるより、その方が可愛い…

「お前は笑ってる方が似合う」

繋いだままの手をギュッと握ってそんなこと言われたら、何からつっこんでいいかわからない。

わからないから、何も言えずに貴史君を見てた。

「なんでそんな見てんだよ…」

俯いたままだから、気付いてないのかと思ってたのに…

「いや…髪さらさらしてそうだなぁって」

「はぁ?!何…お前、髪フェチとか?」

「そこまでじゃないけど、さらさらの髪とか触るのは好きかも…」

なんなんだろ…明らかに顔顰めてる。

髪触られるの嫌なのかな?

「別に触らせてって言ってないし、そんな顔しなくていいじゃん!」

「言っても聞かない気がしたから…なんとなく」

なんとなくで睨まれるとかいい迷惑だよ…

可愛いトコあるけど、やっぱ嫌なヤツだ。

「ってか、手離してくれない?」

「いいじゃん別に。なんか落ち着くし」

意味わかんない!

あたしは落ち着かないんですけど?!
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