鈍恋diary
ホームとあたしの間には貴史君…
どうやらあたしは、貴史君まで巻き込んで転けたらしい。
「ごめん!バランス崩しちゃって…」
「いや、お前が捻挫してるの忘れてた俺が悪いから」
「あ…それあたしも忘れてたから」
「お前は忘れんなよ…バカか?」
バカだと思います…自分でも、思ったくらいだから。
「巻き込んでごめん、ケガしてない?」
「あ〜、大丈夫。巻き込まれたわけじゃねぇし」
もしかして、庇ってくれたってこと?
「ホントごめん!…あと、ありがと」
「別に…それより、立てるなら退いてほしいんだけど?このままだと、襲われそうで怖ぇ」
「あ…ごめん」
なんかあたしが貴史君を押し倒したみたいな状態になってて、慌てて立ち上がった。
今度は左足を気にして、右足だけで。
「足…大丈夫か?」
「うん、大丈夫…平気」
さっき、グキッて嫌な音した気がする。
忘れるくらい、大した痛みもなかったはずなのに、今はズキズキ疼いてる。