鈍恋diary

「遅くなるかもだけど、来てくれるって…」

「んじゃ、コレ持って」

「はぁ?!なんで??」

なんであたしがコイツの鞄持ちしなきゃいけないの?

なんて思ってたら、抱え上げられてた…姫抱っこで。

「ちょっと、待って!何してんの?恥ずかしすぎる…歩けるから!」

「無理に歩かない方がいいんだよ」

「だからって…なんの罰ゲームよ、コレ」

大体どう考えてもコレはヤバいよ!

「うっせぇな、喚くなよ」

「無理、降ろして…パンツ見えるから無理!」

お尻スースーしてるもん、絶対見えてる!

「…悪い」

「いや…誰もいなかったから大丈夫と思う」

「おぶれば大丈夫だよな?」

大丈夫だけど…それもそれで…

「ほら、さっさと乗れよ」

「あ…ごめん。お願いします」

しゃがんで背中向けてる貴史君を見てたら、厚意を無駄にするのも悪いなって思えた。

嫌なヤツって思ってたのに…

そんな悪いヤツでもないんだって思えた。
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