鈍恋diary
適当でいいとは言われたけど…やっぱり不安で、問診票はちゃんと書いた。
2回も捻ったって書くのは自分でも情けないと思ったけど…
「適当でいいっつったのに…」
「そうはいかないでしょ?ちゃんと書いとかなきゃ…」
「とりあえずこん中足入れといて…」
そう言って指差すのは、氷の入ったバケツ。
「ここに?」
「うん、そこ!冷やして待っとけって」
「誰が?」
「あ〜…ここ、俺んちなんだよ。で、親父が…」
貴史君の家?!
それ、先に言ってよ…あたしどうしていいかわかんないじゃん!
「ちょっと待って…あんたの家なの?」
「そうだっつっただろ?」
いきなり連れて来られた病院が家とか…
普通びっくりするっての!
「おい、タカ!2回も足捻ったバカは誰だ?」
なんて言いながら奥から出て来たのは、ガタイのいいおじさん。
親子って聞いてなきゃ、コイツの父親だとは思わないかもしれない。
性格は似てそうだけど…