鈍恋diary
「コイツ」
指差すな!って言いたいのをとりあえずガマン。
「はぁ?!お前友だちっつったよな?」
「それ以外にどう言うんだよ?」
「お前、女の子の友だちとかいたのか?その辺で声掛けたんじゃねぇのか?」
うん…性格とか、口調は紛れもなく親子って感じするわ…
「友だちだっつーの!ついでに言えば、コイツに声掛けたの俺じゃなくヒロだから」
「そういう事にしといてやるから、お前向こう行ってろ」
シッシッ…って、猫でも追い払うかのようにして、おじさんはあたしの前にしゃがんだ。
「そいつに変なこと吹き込むなよ?」
「あ〜、わかった、わかった」
「…お前も妙なこと聞くなよ?」
「聞かないわよ!」
聞いて弱味でも握ってやりたいけどね…
「さてと、んじゃ足見せてみ?」
おじさんに言われてバケツから足を出す。
冷たかったから、感覚が麻痺してるみたい…
「お嬢ちゃん、タカの彼女だったりすんのか?」
「違います!友だちで…たまたま帰りに会っただけです」
「だよなぁ…アイツじゃ無理だわな」
それどういう意味でなんだろ?