鈍恋diary

「コイツ」

指差すな!って言いたいのをとりあえずガマン。

「はぁ?!お前友だちっつったよな?」

「それ以外にどう言うんだよ?」

「お前、女の子の友だちとかいたのか?その辺で声掛けたんじゃねぇのか?」

うん…性格とか、口調は紛れもなく親子って感じするわ…

「友だちだっつーの!ついでに言えば、コイツに声掛けたの俺じゃなくヒロだから」

「そういう事にしといてやるから、お前向こう行ってろ」

シッシッ…って、猫でも追い払うかのようにして、おじさんはあたしの前にしゃがんだ。

「そいつに変なこと吹き込むなよ?」

「あ〜、わかった、わかった」

「…お前も妙なこと聞くなよ?」

「聞かないわよ!」

聞いて弱味でも握ってやりたいけどね…

「さてと、んじゃ足見せてみ?」

おじさんに言われてバケツから足を出す。

冷たかったから、感覚が麻痺してるみたい…

「お嬢ちゃん、タカの彼女だったりすんのか?」

「違います!友だちで…たまたま帰りに会っただけです」

「だよなぁ…アイツじゃ無理だわな」

それどういう意味でなんだろ?
< 60 / 197 >

この作品をシェア

pagetop