鈍恋diary

「って、悪い…喋りすぎたな!あんなヤツどう思うか親目の前にして言えんわな」

「…最初は、偉そうだし嫌なヤツって思いました。でも、今日…捻挫してるの気付いてくれて、ホームに落ちそうになった時も助けてくれて…駅からここまでおぶって連れて来てくれたし。

優しいトコあるんだって今日気付いたから…好きとか、付き合うとかは別にして、頼れる人だなって思いました」

おじさんを見てたら自然と言葉は出てて…

自分で何言ってるんだろって思ったけど、間違ったこと言ってるわけじゃないなって…

言いながら納得してた。

嫌なヤツって思うけど、いいトコだって貴史君にはいっぱいある。

それを今日知った。

「フミカちゃんはタカにはもったいねぇわ…ありがとな、ちゃんとアイツのこと見てやってくれて」

「いえ、そんなことないです。なんか苦手なタイプだって決めつけてて…今日捻挫してなくて、貴史君に会ってなかったら、きっとまだ嫌な人って思ったままだったと思います」

ちょっと申し訳ないなって気もしたけど、そう伝えるとおじさんは笑い出してた。

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