鈍恋diary
「フミカちゃんは素直でいいわ!」
「いや、そんなことないです。
あ、でも、本人には言わないでくださいね…今の。恥ずかしすぎますし、絶対怒らせると思うので」
こんな念押ししたら、余計おもしろがって話ちゃうかな…なんて、不安になる。
ジッと見てたら、おじさんはニヤリと嫌な笑み…
「言うと思うか?言うわけねぇだろ…あのアホ喜ばせても何の得にもなんねぇからな」
「それなら安心しました」
「あ〜、でもフミカちゃんみたいな娘できんのは嬉しいからなぁ…」
うっかり言うとか?
マジやめてよね、おじさん…
ってか、娘って…その発想が怖い。
「タカよりタツにしとくか?」
笑って聞かれても…そもそも、タツって誰?
「タカより俺が何?…ってか、くだらない話してないで、先に治療すませたら?」
「お前いいトコに来るな…立ち聞きしてただろ?」
「全部じゃないけど、親父の声は丸聞こえ」
タツって、貴史君のお兄さんだったんだ。
顔立ちは似てるけど…性格は似てない感じ?