鈍恋diary
貴史君が龍樹さんの手を掴んで…
あたしは、ただ見てるしかできなくて…
どうしたんだろ?なんて思ってたら…
「…いきなり、何すんだよ!痛ぇだろ!!」
龍樹さんは床に仰向けに倒れてて…
貴史君は、何も答えず出て行った。
何が起きたかよくわからない…
「大丈夫ですか?!」
「慣れたくないけど慣れてるから、大丈夫」
投げ飛ばしたとか、突き飛ばしたって感じじゃなかったとは思う。
「フミカちゃん…エラいのに好かれちゃったね」
「なんの話ですか?」
何が起きたかも、龍樹さんが言いたいこともわからなくて…
ただ首を傾げるあたしを見て、龍樹さんは少し困ったような顔して微笑んだ。
「タカ、アレで結構いいトコもあるから…仲良くしてやって」
「優しいトコもあるのは知ってますけど…仲良くは無理があると思いますよ?
あたし、嫌われてると思うし…苦手なタイプなので」
「苦手か…アイツ言い方考えないからなぁ。
でも、嫌ってるってのはないよ…寧ろ気に入られてると思うから」
気に入られても…それはそれで、微妙。
正直、どう接していいかわからない人だから、関わりたくない。
嫌いとは言わないけど、好きじゃないのは確かだし…
ホントに苦手なんだもん。