鈍恋diary
苦手なタイプなのは確か…
好き嫌いの二択なら嫌いなのも確か…
でも、好き?嫌い?どう思う?って聞かれたら…多分、嫌いじゃないって答える。
あたしは、まだ全然貴史君のことを知らない。
昨日みたいに、もっと良いとこに気付けるかもしれない。
出逢った日みたいにケンカして、ムカつくって思うかもしれない。
なんでかな…わからないけど、ちょっとだけ…もっと貴史君のことを知りたいって思うあたしがいた。
「史華ちゃん」
考え込んでたら、そう小声で囁かれて視線を向ける。
博信君と尚之君…それと、もう一人奥高の制服を着た男の子。
「あ…何?」
「いや…タカ機嫌悪かったから大丈夫かなぁと思ったんだけど、大丈夫そうだな」
「そうなの?」
あたしは気付かなかったけど…
「確かに機嫌良くはなかったけど…それより、俺は貴史がこんなとこで寝てる方が気になった」
「え…タカ、マジで寝てんの?」
貴史君の顔を覗き込んでた博信君は、尚之君の問いに頷く。