鈍恋diary

「史華、捻挫って大丈夫なのか?どっちの足?」

「左足…痛みもないし、さっき走っちゃったけど大丈夫だから問題ないと思う」

「走っちゃったって…お前、ホントアホだろ?何やってんだよ」

仕方ないじゃない。

なんか貴史君と顔合わせるの気まずい感じしたから…

どうしていいかわからなくて…

「お前、ムチャばっかするんだから、気を付けろよ?」

「別にムチャしてないわよ!…でも、ありがと…心配してくれて」

なんか調子狂っちゃう。

ありがとなんて、航希にいつもなら言わないのに…

貴史君のことも、航希のことも、気になって…

あたし、なんか変だ。

「走るくらいなら大丈夫か…ほら、降りるぞ?」

「あ…うん」

立ち上がった航希に手を差し出されて、反射的にその手を取ってた。

手を繋いで電車を降りて…

そのまま航希に導かれるまま、足を進めてた。

「あ…あたし、電話しなきゃいけないの忘れてた」

「はぁ?!」

「いや…足こんなだから、送ってもらったんだけど、帰り電話しろって言われてたの忘れてた」

駐輪場まで来て思い出すとか、あたしホントアホすぎかも…
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