鈍恋diary
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「史ちゃん、なんかあった?」
「え…なんで?」
「なんでって…最近、溜め息多いし、なんかボーッとしてない?」
夏帆に言われて、あたしは曖昧な笑みを浮かべてた。
「足まだ痛むとか?」
「いや、それは大丈夫。ちょっと考え事してただけだから」
ちょっとって考え事じゃないけど、なんか夏帆や穂花に相談って訳にもいかないし…
あたしはまた溜め息を吐いてた。
「違ってたらごめんだけど…もしかして、貴史君絡み?」
「違うけど…なんで?」
「あ…この間、史ちゃんと貴史君一緒に帰った時なんかあったか聞いてないって…尚之君に聞かれたから、なんかあったのかなって」
そう言えば、あの時って、なんか気まずくてあたし逃げて帰ったんだった。
航希のことですっかり忘れてた…
「やっぱりなんかあったの?」
「いや、それは関係ないんだけど…貴史君とはあんまり気が合う感じしなくて、つい不機嫌な顔しちゃうから…そういう顔しかしないって言われちゃって、顔合わせづらいかな?」
そのことも問題だし、航希とのこと話すよりそっちの方が言い出しやすくて、誤魔化すように口にしてた。