私だけの魔法の手。
ゆっくりと、確かめるように重なった唇。
角度を変えて執拗に繰り返されるキスの合間、侵入してきた蒼の舌は、これまた驚くほどに、自由自在に私の口内を動き回った。
うっとりとグッタリのダブルパンチにやられてしまった私をギュッと抱き締めた蒼は、そのまま耳許に唇を寄せて。
好きだよ 美優、と。
鼓膜へと直接愛の言葉を流し込んできた。
これで落ちない女子は絶対にいないと思う。
キザな言動が文句なく似合うのに悔しくなるけど。
どうしてこんなに凄い人が?とか聞きたい事も言いたい事もいっぱいあるような気がするんだけど。
甘く名前を呼んでくれる低い声も、髪を撫でてくれる手のひらも、抱き締めてくれる腕も何もかもが。
すごく幸せで、嬉しくて堪らない!って心が満ちていくのが分かるから。