私だけの魔法の手。
クールな感じに思えたのに、意外に感情表現の激しい性格に驚く。
でも勿論、そんなの全然嫌じゃないし、強引だけど無理矢理じゃないのは、意外にもときめいてしまっていて。
本当は、あの指がどんな風に身体に触れるんだろう、とか。
あの真っ直ぐな瞳に見つめられたまま抱かれたらどうなるんだろう、とか。
知られたら引かれそうな事を考えていたりもするんだけど。
「もう少し、お互いを知ってからじゃ……ダメ、かなぁ?」
「………いや、ダメじゃねぇ……うん、だよな…分かった。話しよ…」
怒るかなぁ、って思ったのに。
蒼は納得顔で私をリクライニングチェアーから立たせると、リビングを通って、ベッドルームへと連れて行く。