私だけの魔法の手。

身体で話すとかそんなオチ?って思ったら、ベッドの横に腰を下ろした蒼が私を手招いた。
背後から抱き締めるような体勢で、何から話そっか、って言って。



それから何時間も、他愛もないお互いの話を、イチャイチャしながらも続けたりして。




身体の関係を拒否したら、こんな風にくっ付いている事だって本当は辛いって分かってる。
それなのに蒼は、くっ付いて、イチャイチャして、時々キスを交わしたりするだけで、言葉の通りに約束を守ってくれて。



若く見えてもきちんとした大人な態度になんだかもの凄く信頼が芽生えて。
胸の中に広がる温かな想いが嬉しくて、私からも何度もキスをしてしまった。






「あんまり積極的にされっと勘違いしちまう、つーの」

と、ギューッと胸に抱き込まれて告げられた言葉に、蒼が必死に我慢してくれてる事を知った。





蒼のパジャマを借りてベッドに潜り込めば、割と大き目のベッドなのに抱き寄せられてくっ付いたまま眠りについた。
おやすみ美優、って言いながらキスをされて、その日はなんだか、とっても幸せな夢を見たような気がする。



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