私だけの魔法の手。
6


翌朝、重たい瞼を押し上げると、横から聞こえたおはよう、って声にドキッとして。
おはよう、と返すとそのままキスされて、現実は夢なんかよりももっと幸せだと実感をした。





「なぁ美優」
「ん?」
「昨日の今日だけど、抱きたいって言ったら引く?」

と、私に覆い被さるみたいにして髪を撫でながら、蒼は大真面目に聞いてくるから。
なんだかもうおかしくなってしまって、私は自分の両手を、蒼の首へと絡めて引き寄せた。





「もう昨夜、たくさん蒼の事知ったからいいよ?」

と、耳許で告げれば。
蒼が生唾を飲み込む、リアルな音を聞いた瞬間、頭を抱え込むようにして、食らい付くようにキスをされてしまった。




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