カノジョの心  カレシの想い
 風呂から出て、俺は自分の部屋のベッドにごろんと仰向けになる。


 柏木に断わられても、納得できていない俺がいた。





―――そう簡単に、諦められるかよ。






 味気の無い板張りの天井を睨む。


―――『好きな人がいる』か・・・・・・。




「はぁ」

 ため息がこぼれる。



 そこで、ハッと気が付いた。


「・・・・・・付き合ってる人がいる、とは言ってなかったよな?」 


―――“好きな人”というのがあいつの片想いなら、まだチャンスはあるんじゃないのか!?






「そっか。
 そうだよ」


―――これから先、俺のほうに気持ちを向けさせればいいんだ。


「よし、頑張るぞっ!」



 俺はこぶしを突き上げて気合いを入れた。


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