カノジョの心  カレシの想い
 翌日。

 俺は明るい気持ち教室に入った。



 すでに柏木は登校していて、仲のいい女子と話していた。


 これまでと同じように、俺は彼女の席に向かった。


「おはよ」


 柏木はオドオドとして、こっちを見てくれない。



 ちょっと窓のほうに視線を向けながら

「・・・・・・おはよ」

 と、小さく言った。






―――昨日、俺の告白を断わったのを気にしてるな。



 それでも、あいさつを返してくれた事が嬉しかった。


「柏木。
 放課後、時間ある?
 ちょっとだけ話があるんだ」



 昨日はなんだか中途半端にお互い別れてしまったから、仕切り直しがしたい。



 改めて気持ちを伝えて、俺のほうに向いて欲しい。

 俺だけに笑顔を向けて欲しい。




 そう思って誘ってみたんだけど。


「ごめんなさい。
 その・・・・・・。
 今日は早く家に帰らないといけないから」


 俯いたままの柏木が、しどろもどろになりながら答えた。
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