カノジョの心  カレシの想い
 ある土曜日の午後。


 友達の家から帰る途中の俺。

 牧野町を自転車で爆走中。




「この辺もずいぶん変わったよなぁ」


 俺が子供のころは、こんなにマンションもアパートも建ってなかった。






 あるマンションを横切った時、覚えのある声が聞こえてきた。


「今日も長々とお邪魔しちゃってごめんなさい」



 柏木の声だった。






 とっさに自転車を降りて、道路の端に身を寄せた。



 そっと中をうかがうと、柏木と背の高い男の人が一緒にいた。



―――コイツが彼氏か。




 俺は知らず知らずのうちに、その男を睨みつけていた。



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