カノジョの心  カレシの想い
 ある日曜日。

 営業中、用事があってホールにいる店長のところへ向かった。



 店長を探す振りをして、こっそり由美奈ちゃんの姿を探す。


 彼女の姿なら、どんなに遠くに離れていても、店が混みあっていても。

 すぐに探し出せる自信がある。


 言葉の通り、一瞬の後に由美奈ちゃんを見つけた。




 奥の2人がけの席で、客のグラスに水を注いでいる。


 その仕草に見とれる俺。


―――いいなぁ。

 由美奈ちゃんは何をしていても可愛い。



 例えそれが“水を注ぐ”という何でもない仕草でも、俺の目には可愛くてたまらないのだ。









 我ながら、恋愛盲目症の最重度患者だという自覚はある。




 店長探しもそっちのけで、遠くからそっと見つめていた。

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