カノジョの心  カレシの想い
 今日の由美奈ちゃんのシフトは昼夜通し。




 まかないを食べた後、由美奈ちゃんを野菜置き場に呼んだ。


「どうかしましたか?」

 俺の顔がこわばっているのが気になって、由美奈ちゃんが尋ねてくる。




 それには答えず、扉を閉めるなり、俺は由美奈ちゃんを抱きしめた。




「ええっ?!」

 突然の事に、悲鳴にも近い彼女の声。






 慌てふためく由美奈ちゃんが俺の腕の中から逃げていかないように。


 でも。

 彼女を驚かせないように。



 やんわりと力を込める。


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