カノジョの心  カレシの想い
 包みをはがし、フタを開けた箱の中には1口サイズのトリュフが並んでいる。



「じゃ、いただきます」


 指でつまんだチョコをパクン。



―――ん?


 思った以上に苦かった。





 気をつけてはいたんだけど、眉をひそめたのを見られてしまう。




「あっ、美味しくなかったですか?」


 俺の表情を見て、あわてる由美奈ちゃん。 



「違うよ。
 そうじゃない」


 とは言っても、由美奈ちゃんは心配そうに俺を見上げている。




 だから、正直に話した。


「味はぜんぜん問題ないよ。
 ただね、思っていた以上に苦かったから」


 舌に残るココアを感じながら、そっと微笑んだ。
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