カノジョの心  カレシの想い
 とっさに美沙ちゃんの後ろに隠れる。



「恥ずかしがらなくってもいいのに~」


「そんな態度がまた、可愛いんだよなぁ」



 私の気持ちも知らないで、勝手に盛り上がってる。


―――『彼氏がいるから』って、はっきり言ったのに。


 それでも、お構い無しに誘いをかけてくる男の人たちに、正直困っていた。




―――どうしよう・・・・・・。


 おろおろする私をかばいながら、
 
「あの、悪いんだけどさ。
 由美奈ちゃんは私と出かけるから。
 あなた達と行けないの」

 美沙ちゃんがやんわりと断わりの言葉を述べる。



 それから、私の手をそっと掴んで歩き出した。
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