カノジョの心  カレシの想い
 だけど。

 その人たちはなかなか諦めてくれなくって。


 校門の手前で、また囲まれてしまった。




「ほんのちょっと、一緒に話すだけでいいんだ」



 さすがの美沙ちゃんも頭にきたみたいで。


「もう、いい加減にしなさいよ!」

 私の代わりに怒鳴ってくれた。



 なのに、その5人は面白そうにくすくす笑う。


「おっかねー」

 わざとらしく肩をすくめて怯えて見せる。

 
「柏木さん。
 こんな怖い人といないで、俺たちと出かけよっ」


 5人の中で一番背が高い男の人が、さっと私の手首を掴んだ。



―――やだっ!!

 うっすらと涙が浮かぶ。 



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