カノジョの心  カレシの想い
 上着を脱いで、まずは寝室へ。


 寝ているであろう由美奈ちゃんを起こさないように、慎重にドアを開ける。


 そっと中を覗きこむと、ベッドに横たわっている愛しい奥さんの姿があった。




 忍び足で近付き、ベッドに腰をかけた。

「ただいま」

 
 すやすやと眠る彼女の髪に触れる。


 穏やかな寝顔を見て、ここ数日分の疲れが癒されてゆく。



 由美奈ちゃんはその存在だけで、俺を満たしてくれる素晴らしい奥さん。






『お帰り』って言って欲しかったけど。


 抱きしめて、キスをしたかったけれど。



 あまりに気持ちよさそうに寝ているから、起こすのは止めた。

 

 明後日まで仕事は休み。

 2日間、たっぷり時間はある。



「明日は朝から由美奈ちゃんを放さないよ。
 ・・・・・・なんてね」


 彼女の額に触れるだけのキスをした。
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