海風の如く
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一方、別室で
「総司、最近体調がよくないのではないか?」
そんな心配をするのは沖田と同じ部屋で寝ている斎藤
近藤も含め、他の幹部は部屋から出ていき、斎藤と沖田だけが残っていた
「まさか、僕は健康だよ
巡察だって何事もなくこなしてる」
沖田は笑って答えた
「それならいいのだが……あまり眠れていない気がしてな
何か気がかりでもあるのか?」
「へぇ、一くんがそんなに僕のことを気にしているとは思わなかった
そうだね……最近夢を見ることが多いせいかな、あまり眠れていない気はするよ」
斎藤は少しだけ眉をひそめ、ゆっくりと立ち上がる
「何かあれば、局長にでも言うといい
あまり無理をするな」
こう一言残すと、スッと部屋から出ていった
「ヘンな一くん」
沖田はポツリと一言呟いた
____一くんに気づかれていた?
確かに、沖田は最近、体調がよくないことに自分で気づいていた
全身が熱っぽく、夜は眠れないこともある
他の隊士が気づくほど症状がひどいわけでもなく、沖田自身もただの風邪か何かだろうと考えていた
____近藤さんに言え、と半分僕をからかうような言葉を残したことからも、一くんはそこまで気にはなっていないはず
ただ、そんな沖田にも気になることがあった
____蓮さんは僕の体調を過剰に気づかっている気がする
そう、華蓮は唯一未来を知る者
もしかしたら、自分の身に起こることを知っているのでは____?
____いや、余計な詮索はやめよう
今は新撰組にとって大事な時期
しっかり眠って働こうと沖田は強くこぶしを握った