海風の如く




____



土方が少し驚いた様子になり、数秒沈黙が訪れる






華蓮は恥ずかしくなり




「…えっと、その…………大好き、ですから」




誤魔化すつもりが、またもや大胆なことを口走ってしまった








「___ククク」




「え?」




土方は少し困ったような顔をしながら笑うと、華蓮をそっと引き寄せ抱き締めた




「全くお前は……俺にはもったいねぇなぁ」




「そっ、そんなことないです」




「そんなことあるんだよ」




抱き締められているから、顔は見えないが、土方が穏やかに笑っているように感じる



だから、次の瞬間、耳元で囁かれたこの言葉に華蓮は驚かされることになる







「なぁ華蓮………今夜は抱いてもいいか?」








16歳だった華蓮も、幕末に来て2年が経ち、18歳になった




土方の言う言葉の意味がわからないわけではない




しかし、




「……土方さん、屯所の風紀を___」




「ここは屯所じゃねえ」




確かにそれもその通りなのだが





「そんな嬉しそうな顔しやがって……
拒むなら嫌そうな顔をしろよ」



「なっ………」




華蓮はとっさに両手で顔を覆った




「嬉しそうな顔なんてしてませんっ!」




「やけに素直じゃねぇな
それに___手が邪魔だ」




土方は低い声で優しくそう言うと、顔を覆っていた華蓮の手を外し、近距離で見つめ合った




「ちっとも嫌そうじゃねぇと思うのは俺だけか?」




意地悪な質問だ




華蓮が、いいえ、と言えるわけがない




そんな気持ちで土方を見返すと、華蓮の唇にそっと優しい口付けが落とされた




そしてだんだんと激しくなっていく




「___んっ」





いつの間にか着ていた着物を乱され、華蓮の白い肌が露になっていた






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