海風の如く
四
隠しきれない秘密
元治2年6月
季節は春から夏に変わった
盆地である京は江戸よりも暑い
そう土方が言っていたが、華蓮はこの時代に来てから京の外に出たことはない
そのため比べられることはできないが、京が暑いことはよくわかっていた
__ひんやりしてて、気持ちいい
お気に入りの縁側が日陰に差し掛かってだいぶ時間が経った
先程まで洗濯や掃除をしていた華蓮は、縁側でごろんと、横になってみたのである
「あれ?そこで寝てるのは蓮??」
「っ平助君!!!!」
急に後ろから声をかけられ、咄嗟に起き上がった
「あー、驚かせちゃった?ごめんね
それにしても、蓮がこんなところで寝転ぶなんて珍しいね
疲れてるの?」
「ううん、疲れてるというよりか、ここの縁側が涼しくなったころかなあと思って…」
もうこの屯所にもだいぶ慣れた
涼む場所くらいだいたい把握している