海風の如く






「どれどれ、俺も確かめてみようかな」




「どうぞどうぞ」




華蓮が右側に寄ると、空いた左側に藤堂はゆっくりと座った





「あ、ほんとだ、涼しい気がする!!!!」





「でしょう!?
ここは私のお気に入りの涼み場所なんだからっ!!」




「蓮、実は疲れてたでしょ?
さっきまで掃除やってんの見てた」




藤堂は、華蓮を見て苦笑い




「えぇ、見てたなら手伝ってくれてもよかったのに………」







今では隊士の人数が増え、昔とは比べ物にならないくらい屯所も広い




要するに掃除する面積も広いのだ





「いや~、さっき帰ってきたんだよ
手伝ってもよかったんだけど、俺がやると余計に汚しちまいそうで……

蓮の邪魔はしたくねーからなっ」





__そっか、そう言えば八番隊は巡察だったかも





「それなら、平助君の方がお疲れじゃないの…?」




「俺は平気、蓮が頑張って掃除してるの見たら、また頑張ろって思ったとこ!」





「ふふっ……そうなの?」





藤堂は満面の笑み




それも、偽りもなく、だ






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