海風の如く
「それで、そのおまささんという方はどんな方なんですか?」
おまさの名前を出すと、原田がやたら自慢をしてくるので、話を戻した
「ん~
あえて言うなら、控え目そうに見えて実は強いって感じだな」
「確かに、顔はそこまでパッとしねぇかも」
「おい、新八
喧嘩売ってんのか?」
「んなぁ!?
あ、いや、悪かった」
永倉の余計な一言でまたもや喧嘩になりそうなところを一睨み
「原田さんは何か具体的にあげたいものを考えてるんですか?」
「巾着……とかどうかな、とは思ってたが………
何しろ女に贈り物なんてしたことねぇからよ」
頭の後ろをかくような仕草をする
「巾着、すごくいいと思いますよ!
見てみましょう」
華蓮は二人を引き連れて、巾着やにおい袋などを売っている店に入った
色鮮やかで、綺麗なモノがたくさん並んでいる
「さあ、原田さんが選ばないと意味ないですよ!!」
こういう場所は不慣れなのか、原田も永倉も遠慮がちに入ってくる
品物をじっくりと見て、数分後、原田は一つ手に取った
それは、嫌なカンジがしない、綺麗な赤色の可愛い巾着だった
そして、どうだ?と聞くように、華蓮をじっと見つめてくる
「とてもいいと思います!
喜んでもらえるといいですね」
「おしっ、これにする!!」
原田は景気よく、勘定をしに店の奥に入っていった