海風の如く




華蓮が部屋に戻ると、仕事をしていると思っていた土方はぼーっと机の前に座っていた



「土方さん?、どうかしたんですか?」



近寄って声をかけると、土方はひどく驚いた



「!?、華蓮か……
声くらいかけろ」



「部屋に入る前にちゃんと言いましたよ
でも返事がなかったので、もう寝たのかと」



土方はコホン、と一つ咳払いをすると華蓮を手招きする



「まだ寝れねぇよ
もう一仕事あるって言っただろ?」



「えっ…?」



そう言うわりには、机の上は綺麗に片づいているし、とても仕事があるとは思えない



「あの……なんの仕事ですか?」



「…仕事っつうか、やること、だ
ちょっと、こっちこい」



土方が何を言いたいのか、何をしたいのかわからないが、とにかく近寄った



「これ、開けてみろよ」



背中に隠すように置いてあったものを華蓮は受け取る



手のひらサイズの小さな包みだった



華蓮はそっとその包みを開けた




「………鏡?、これを私に…………?」



「そうだ、贈り物だ」



包みの中に入っていたのは、小さな鏡だった


「…ありがとうございます
大事にします…!!」



──サプライズで、プレゼント……



本当に嬉しかった



まさか土方からもらえるとは思ってなかったから



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