海風の如く
坂本の手引きで寺田屋の一室に入る
そこにはもう一人懐かしい人物がいた
「な、中岡さん!!」
「無事に戻れたか、久しぶりだ」
中岡は坂本の無事を確認して安堵したようだった
「この坂本龍馬が簡単に殺されるわけがないに、心配しすぎじゃ」
「だが、事実新撰組は手強かったのだろう?」
相変わらず、中岡は坂本のことをよく理解している
「お二人ともお変わりないようでなによりです」
およそ一年半ぶりになるが、二人が変わらずにいてくれたことに感謝した
「……今日、坂本さんが私をここに連れてきたということは、前に言っていたその時期が来た、ということでいいんですよね?」
少し再会を楽しんだ後、さっそく本題に入る
「ああ、その通りじゃき」
坂本も中岡もうなずく
長州や薩摩が大きく動いてくる前に何か対策を立てなければ、史実通りになってしまう
「それで、おまんの答えは出たんか?」
真っ直ぐで、そらすことができない坂本の目
しかし、華蓮ももう迷ってはいない
「はい、私の答は____ 」
覚悟を決めた、あの池田屋事件の時に決まっていた