海風の如く



坂本の手引きで寺田屋の一室に入る



そこにはもう一人懐かしい人物がいた



「な、中岡さん!!」



「無事に戻れたか、久しぶりだ」



中岡は坂本の無事を確認して安堵したようだった



「この坂本龍馬が簡単に殺されるわけがないに、心配しすぎじゃ」



「だが、事実新撰組は手強かったのだろう?」



相変わらず、中岡は坂本のことをよく理解している



「お二人ともお変わりないようでなによりです」



およそ一年半ぶりになるが、二人が変わらずにいてくれたことに感謝した











「……今日、坂本さんが私をここに連れてきたということは、前に言っていたその時期が来た、ということでいいんですよね?」



少し再会を楽しんだ後、さっそく本題に入る



「ああ、その通りじゃき」



坂本も中岡もうなずく



長州や薩摩が大きく動いてくる前に何か対策を立てなければ、史実通りになってしまう



「それで、おまんの答えは出たんか?」




真っ直ぐで、そらすことができない坂本の目



しかし、華蓮ももう迷ってはいない




「はい、私の答は____ 」




覚悟を決めた、あの池田屋事件の時に決まっていた








< 88 / 126 >

この作品をシェア

pagetop