DOUBLE
コンコンッ
「どうぞ」
『失礼しまーす』
校舎へと入ったあたしは理事長室のドアをノックし、中へ入る
『転校生の、上野はるひーウエノハルヒーです。』
そう言って、ペコリとお辞儀をした。
「よく来たね。理事長の澄太ースミターだよ。
確か君は…、校内で喧嘩をして相手を怪我させてしまい退学になったとか。」
『あぁ…、知っていらしたんですね。まぁ、怪我させたのは悪いと思ってますけど、相手が悪いですから。』
反省なんかしてませんよ。
そう言えば理事長はハハッと笑って、君は正直だね。そう言った。
『そうですか?
よく、嘘をつくのが得意だと言われますけど』
それに自分自身、嘘をつくのは得意だと思ってる。
見破られた事があまりないから。
「それは、君のことを少ししか知らない人だけだと思うよ」
そう言われてそうだっけ…と思い返してみる。
確かに、あたしと親しい人は嘘を簡単に見破いていたかも。
『なら、理事長さんはあたしを良く知ってるって事ですか?』
不思議に思って聞けば、
「いや全く。だって今日初めてあったしね。」
ズルッ
即答した理事長さん
ですよネ。
逆に知ってた方が驚くけど。