わたしのスーパーマン
いつもの優しい声がわたしをすっぽりと包み込む。
彼の声を聞くと本当に癒される。
「うんん、今大丈夫だよ。どうしたの?」
いつも電話するのは大抵わたしからたから、こんな風に彼から掛けて貰えると正直嬉しい。
だけど嬉しい反面、いつも彼との電話の後はなぜか気分が沈んでしまう。
『会いたい』って思ってもなかなか『会いたい』って伝えられない。
やっぱり、声だけじゃあ満足出来ないわたしが居る。
だから、次に彼から発せられる台詞が少し怖かったり。
「うん、たまたま早く仕事終わりそうだから、この後会えないかな?って。でも、まだ仕事終りそうにないのか?」
「えーと……」
どうしよう?予想を反して嬉しい台詞なのに、素直に喜べない。
もう少し仕事が残っているから……。