わたしのスーパーマン



とぼとぼと帰る道のり、ほんの少し泣きそうだった。



考えれば考える程、彼の気持ちが見えなくなってく。



いくら両思いでも、やっぱり彼の気持ちはいまいちわたしには分からない。



ちゃんと手に取るように分かったら、こんな気持ちにならないのかな?





「あのー、これ落ちましたよ?」



俯いて肩を落としとぼとぼと歩くわたしって端から見たらどんな風に思われるんだろ?



片想いでも、失恋した訳でもないのに、なんでわたしはこんなに落ち込んでいるんだろ?



そう思えば思う程、顔なんて上げられない。



だから、まさかわたしに声を掛ける人が居るなんて思いも寄らなかった。



それは、肩をポンポンと叩かれて気付いた。




「あのー、落とし物」

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