わたしのスーパーマン
◇◇◇
「おはようございます」
清々しい朝だ。
こんな朝を迎えたのはいつぶりだろ?
すっきりと目覚めた朝なんて、最近なかったからな。
いつもどこがモヤモヤした気持ちが心の中で燻っていたから。
それもこれも全部原因は分かっている。
そう、彼のせいだって。
なのに、なぜだろ?
昨日だって結果彼には会えなかった。
会えなかったのに……
ちょっと、そんな自分の新たな心境に首を傾げながらも今日もいつものようにデスクに着く。
多分あれだ、昨日の人違いハンカチ事件のお陰でわたしは彼の事を少しだけ考えずに済んだんだ。
そんな事を思いながら、昨日の続きからの仕事をしようとパソコンを立ち上げる。
それからまた、パソコンが立ち上がる少しの間、昨日の彼の事を思い出していた。
何となく、何となくだけど、見覚えがあるような………。
たけど思い出せない。絶対知ってる筈なのに、どうして??
そうこうしてるうちに就業時間になり、朝礼が始まる。
リーダーが前に立ち、いつものように注意事項や連絡事項など述べる。
「あと、みんなちょっといいか。新しい仲間が入ったから紹介する」