わたしのスーパーマン
いつもなら目の前にあるパソコンを見詰めて、リーダーの事務的な話しを聞き流すだけなのに、
リーダーのその台詞に誰もが顔を上げリーダーの方へ目線を向ける。
リーダーの隣に少し大きな影。
その影を見た時、私の口からはあり得ないほどの大きな声が出そうになった。
「えっ……」
嘘!?
間一髪で食い止めた台詞。
それは誰にも気付かれる事なく事なきを得る。
その事に幾分ホッとしている自分に、だけど信じられない。と思う気持ちで一杯だった。
だって、リーダーの隣に立っているのは……
「えーと、神木理春(かみきまさはる)くんだ。今日からよろしく頼む。で、田中さんに彼の面倒を見て貰おうかな?!」
急に名前を呼ばれた隣の席の田中さんは、はい、と慌てて返事を返す。
わたしはその間もずーっと考えていた。
ーー神木理春くんて、誰だっけ?