メルヘンチック·レボルバー
「あちぃーっ!!」


「そんなこと言うなよ、大輔。暑さが増しそう。
みんなわかってて敢えて口に出さないんだからさ」


「はいはい。悪かったよ、幸哉」



今日も、部活の後の部室はぼわっ、としていて気持ちが悪い。


ドアを開けた瞬間に、待ってましたと言わんばかりに外へ飛び出してくる熱気の群れに、何だか押しつぶされた気分になる。



僕は、文句を言いながら着替え始めた時田大輔[ときただいすけ]を見て、はぁ、と溜め息を吐いた。



「そういえばさ、明日って部活休みなんだよな?」


「うん。確か、先生が出張でいないんだよね。しかも、明日はコーチも都合悪いからって」



黙ったかと思ったら、大輔はまた話しだした。



このノリの良さがいいところだとは思うんだけど……

ちょっと面倒臭いと思っているなんて、とてもじゃないけど言えないな。



「やったな!久しぶりの休みだし、一緒に映画でもどーよ?
この前から始まったアクション映画さ、見に行きたかったんだよ」
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