メルヘンチック·レボルバー
「幸香、どうかした?」
幸香の視線は、ずっとオレンジ色に向けられていた。
そっとそこに添えられた手が、ゆっくりと動く。
「え?あぁ、何でもないよ。
部活、楽しそうだなぁ……って。私は、……こんなに大勢で騒いだこととかあんまりないから、羨ましくて……」
「そっか。まぁ、暑苦しいだけだけどね?」
「でも、女の子もいるし……」
「うーん……。マネージャーっていつも怒鳴ってて煩いだけだよ?
マンガみたいに可愛らしいマネージャーと恋愛……とか絶対に有り得ないからね」
苦笑いをしなからそう言うと、幸香は不思議そうに首を傾げた。
「そういうものなの?」
「うん。
それに、マネージャーに手を出すのはタブーみたいな感じだから」
「へぇ……全然知らなかった」