メルヘンチック·レボルバー

「ほとんど一緒に帰ってるんだし、言うチャンスならいくらでもあっただろうが!それなのに何にも言わないなんて、俺は少しがっかりしたぞ!
大体、幸哉は幸香ちゃんが気になってたんじゃないのかよ!」


「幸香ちゃんって、ちょっと親しげすぎないか?」



僕は、そう言ってから自分のハンバーガーにかぶりついた。


少し厚みのあるチキンの味が、口の中にじわっ、と広がる。



「別にいいだろうが!で、幸香ちゃんのことは良かったのかよ?彼女なんて作ってさ」



食べ終わったハンバーガーの包み紙を小さく丸めながら、呆れ気味に大輔が言った。



「良くないよ。だから、幸香が彼女なんだって」


「……」


「ねぇ、聞いてる?」



僕は、ポテトに手を伸ばしながら、目を見開いてぽかん、としている大輔に言った。


そのまま大輔に視線を移すと、どかっ、と衝撃を受けたような顔をしている。



百面相……?



「はぁあああ!?嘘だろ!?
あの色白で身長153センチで、まっすぐでつやのあるロングの黒髪が綺麗な幸香ちゃんがか?」
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