罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
冬の嵐
それからも私は何日も何日も、往生際悪く悩んで。
とにかく一度龍也君と話してみようかな、と思った。
のと同時に、彼のことをすっかりみかけなくなった。
もう諦めちゃったのかな……。
つい数日前までは、龍也君が何度も話しかけようと私の教室の近くにいたのに。
タイミングが悪いっていうか、噛み合わないっていうか。
うまくいかないなぁ、と気持ちが沈んでしまう。
会いたいなら私のほうからFクラスに行けばいいというのは分かるんだけど。
『大嫌いなんだよ』
あの時友達と話していた龍也君のことを思い出すと、やっぱりあそこには行きたくないと思ってしまう。
Fクラスへの階段の間に、大きな壁でもあるみたい。
ちっぽけな私が乗り越えるには、勇気が必要だった。
それに会いに行きたい、けど……。
理不尽だと思いながらも、急に姿を現さなくなった龍也君にちょっと怒っていた。
つい最近まで、何回も会いに来てたのに。
……もう諦めちゃったの?
私に話したいことって、やっぱりそんなに重要なことじゃなかったのかな。
放課後のろのろと教室を出て、私はまた目の前にそびえたつ白い階段を見上げた。